02.大きな器をつくるために
漆器の木地は無垢の木から削り出すため、小さなサイズしか出来ません。軽くて大きな器をつくるために金属加工の工場をリサーチしました。 ロケットの先の丸い部分をつくっている技術「へら絞り」を最初に検討しましたが、コストの関係で断念。いろいろ調べるうちに中華鍋をつくっている工場にたどりつきました。
山田工業所は日本で唯一の「たたき出し」で中華鍋をつくっている工場です。上下に反復するハンマーで鉄板を数千回たたきながら中華鍋の丸い部分をつくっています。 工場にスケッチを持って相談に行ったところ、「たたき出し」の製法はプレスのように決まった型で量産するのとは違い、サイズや曲率はある程度自由にできるとのこと。写真は2ミリ厚の鉄板をたたき出してつくった器の原型です。
これに高台(器の脚の垂直部分)とガラス天板の受け材を溶接してお椀にします。
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