08.仕上げ工程
再び鋳込みを行ったテストショットに対して、すでに打ち合わせてあった方針を元に、仕上げの研磨を施していく。 研磨と一言で言っても様々な種類がある。アルミは金属の中で比較的柔らかいから、ピカピカに磨いたところですぐに傷が入ってしまう。長く使っていただきたいモノなので、使用によって劣化しない、むしろ幾分使い込んだ状態を初期的につくっておこうと考えた。
基本的にはカップブラシという、ステンレス製のブラシで全体を磨きながら荒らし、金属タワシで使い込んだ表情とする。フライパンの内側は、食品が接する部分なので汚れが付着しにくいように、さらにスコッチと呼ばれる紙ヤスリの親玉のようなもので磨く。 これらの仕上げ工程はすべて、職人さんによる手加工となった。アルミ鋳造品はおおむね複雑な形状が多いため、今回のフライパンに限らず、最終仕上げは自動化されることは少ないという。
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